URBAN DESIGN 365 : 2月 2013

2013/02/24

ここは余暇を過ごす街?!アムステル駅前に広がる水辺の道路空間デザイン


何気なく歩いていると、ここは余暇を過ごす街?!ヨーロッパの都市ではこのように感じることが多々あります。

アムステルダム南東部の東地区にあるアムステル駅はオランダ鉄道、アムステルダム市営交通メトロ3路線、駅前からはトラム12番線と10本以上のバス路線が頻繁に発着する大きな駅です。アムステル駅の西側のオフィスや住宅間を少し歩くとそこにはアムステル川が流れています。

川側の歩道はダスト舗装のような仕上げになっています。ベンチやごみ箱、街灯などのストリートファニチャ以外はまるで手つかずの自然のままのような都市空間が広がっています。駐車帯と歩道の間の赤い部分は自転車専用レーン!自転車専用レーンも上下線が完全に分かれて整備されているので自転車同士も安全ですし、何よりオランダでは歩道には自転車は来ませんからベビーカーを押しながらでも安心してゆっくり歩くことができます!

川沿いに通るウェースペルザイデ通りはメーステル・トルーブラーン通りからアムステル駅西側の駅前地区に北側からアクセスする道路でクルマは多いものの反対の地区へは歩行者と自転車のみが通過できる都市デザインとなっているためクルマがスピードを上げて通行することはありません。

日本ではこのような街区内の道路にも車線を設けて他の街区に通過できる構造としてしまうために頻繁に通過交通が流れ込み常にクルマの走行音や自動車事故の起きる可能性が高くなることが多々あります。

ウェールペルザイデ通りの幅員はとても広く、自家用車向けの空間を最小限にしているため道路というより広場や公園といった感じさえします。

ガードパイプは無く歩道、自転車専用レーンと車道が最小限の部材でデザインされています。車道にはラインは無いですが駐車帯とドアの開閉などのための降車スペースもしかっり確保!片側2車線よりも自家用車のユーザーにはこのデザインのほうが実用的な空間といえます。交差点部分の車道はハンプ形式で盛り上がり歩道、自転車道と同じ高さ、仕上げになっていて歩行者や自転車が優先されていることが良くわかります。左側は川ですが欄干は無く芝生、樹木と川というシンプルな構成で都市の中心部とは思えない景観が目の前に広がっています!

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さてさて、ヨーロッパの都市や建築の事例を目の当たりにするたびに思うことがあります…

もし日本で駅前の川沿いにこのような幅員の道路空間があったら。きっと片側2車線で1車線は駐車車両がたくさん、車道は交通量が多くガードレール両側に設置されます。また、自転車専用レーンはなく歩道で歩行者との危険な混在が起きます。さらにこれほど幅員が広いと予算をつけて何かのオブジェを置いたり、過剰な装飾付の欄干やタイルで過剰な模様舗装などなどするだろうと思い出し都市デザインのあまりの違いにがっかりします。

おそらく日本によくある路線ごとにデザインされすぎの道路より、オランダの面的にデザインされた都市の方が整備費用と維持費用は低く抑えられ、実用性はより高く良い空間となっていると思わざるを得ません!まさに持続可能な都市といった感じがします。

ヨーロッパの各都市、その中でもオランダには最小限と感じる都市空間はとても多く、どれも良いし!楽しいし!と感じます、都市デザインの違いに日本がオランダから学ぶことは非常に多いと思います。決して華美にするのではなく今ある都市をより良い空間に更新し続けるという都市デザインを日本も考えなくてはいけないと思います。新しく密度の低い都市を郊外に広げるより、昔からのコンパクトな都市を愛着を持って維持管理しながら使い続けるということを日本人は忘れてしまったのでしょうか。

日本には日本の良いところもたくさんあるとは思いますが、海外の事例などの現実にももっと目を向けて、地球の一員として人の都市は今後どうあるべきか柔軟に考えるほうがいいと思います。例えばインフラを最小限に、造ったら終わりではなく後世が維持するのに環境負荷や多額の税金がかかることを忘れずに都市を設計しなくてはいけないと思います。現に今現在オランダの都市デザインはこの事例のような空間が都市全体に面で出来ていますし、今この時も建築都市設計オフィス、役所の都市デザインオフィスや多数のコンペ開催などを通じて革新を続けていることでしょう。

2013/02/07

街に黄緑の空間!ベルシュカ渋谷のファサードデザイン

スペインを本拠地に世界でファッションブランドZARAを展開するインディテックスグループ。同社のカジュアルファッションブランドBershka(ベルシュカ)渋谷が2011年4月にゼロゲートビルにオープンしました。

印象的なゼロゲートビルのファサード階段フレームはベルシュカオープンに合わせて明るい黄緑色へと変更されました。白の抜き文字のロゴと共に、ベルシュカのブランドイメージとも合ったデザインの建物が渋谷の街に浮かび上がります。

井の頭通り沿いのファサードデザイン。黄緑色のフレームとガラス越しに見える各フロアーが日本の同規模のビルではあまり見られない外と内の空間のつながりを街に演出しています。夜の街に浮かび上がる黄緑の空間とロゴは渋谷の元気なイメージとも合う。

店舗は1階~4階に出店、主に登りのエスカレーターで上がり、下りはファサードに面した明るい黄緑色の空間の中にある階段を利用して降りてくる設計で、日本の同規模の建築にはあまり見られない空間デザインを体験をすることができます。

ガラス側の床面には照明が設置され、外から見たときに光源が目に入らないようになっています。ガラス側は天井を介した照明になっているため外と内の程よい繋がりを感じられる空間になっている。
消火栓などの設備も黄緑の空間に組み込まれています。

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