世田谷通りからけやき広場に少し入ったところ。昼間なのに大きなけやきが心地よい木漏れ日の空間を演出してくれています。世田谷通りに面してカフェや書店などがありまさに都会のオアシスと言える空間!けやき広場内にはベンチも多く程よい感覚を保ってゆっくり座って過ごすこともできます! |
けやき広場の街路空間は大部分が歩行者のための空間として設計されています。車道は必要最低限の幅で広場の西側に対面通行で確保されています。車道というより車路と表現するべきこの空間の中央には重厚なポールと鎖による仕切りが設置してあり、最低限の車路機能は果たしつつも駐車はすることはできません。
そのため広場と連続性のある車路となっていて統一感のある良好な広場空間が保たれています。車路を含めた広場空間は舗装材に自然石を多用したデザインで大きな樹木と共に質の高い空間を構成しています。
街路空間の幅に占める歩行者空間の広さがとってもうれしいデザイン! |
石畳にタイヤの跡と落ち葉、安定感のあるポールが車路空間を程よく引き締めています。でも道路標識のポールはなぜか白、茶色のタイプのあると思うのですが?!こういうところこそダーク系のポールにすればもう少しなじむかと…。 |
東京農業大学の食と農の博物館は広場のほぼ真ん中に位置しています。博物館内には様々な展示や施設のほかにけやき広場の四季を眺められるカフェもあります。広場の中央にある写真の白黒の石はチェス盤をイメージしているそうです。でも本当にチェスもできる本格的なものみたいです。馬事公苑だけに! |
世田谷の住宅密集地とは思えないけやきや周囲の樹木の枝振りがとっても爽快です。街灯は低めのものが採用されていて足元の明るさを確保しつつ樹木に光源が向かないように配慮されています。 |
日本では都市の中でこれほど大きなけやきがまとまっている広場はあまり無いので、時間がない時でも身近に四季を感じてとっても気持ちよく豊かな時間を過ごすことができます。書店でお気に入りの雑誌を購入、カフェでホットのカフェラテを買ってけやき広場で読書、そして馬事公苑を散策して帰る!ここではこんなこともできちゃいます。
日本ではほとんど出会うことは無い巧みにデザインされた広場がここにはあります。けやき広場は落ち着いた雰囲気で馬事公苑や東京農業大学周辺の都市機能や景観要素を程よく繋いでくれています。
都市でこんなに大きなけやきのトンネルの下をゆっくり散策できるんです!ドイツやオランダでは良く出会う気がしますが…日本ではこのような広場は大変貴重です。 |
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最後に、ここを訪れるたびけやき広場さんありがとうと思います。そしてこれからもこのままのいい空間を関係者や利用者の方々みんなで維持してほしいと切に思います。
それからもう一つ思うことがありました。それはけやき広場のような日本のいい都市空間を訪れるたびに思うことです。日本では結構な割合で当初の設計の意図を忘れて設計者の意にそぐわない手を加えたり、違う素材で補修したり、ひどい時は補修ではなくそもそも都市設計者の意図とは全く違うであろう空間に壊して作り変えたりする事例が多いと感じることです。なのでここも大丈夫かといつも不安な思いになります。
特にけやき広場のようにすでにある日本では貴重で良好な都市デザイン空間をもし将来老朽化などで全面的に再整備することになったなら相応の都市設計者を採用し国際的なコンペなどの開催を通して今よりもいいと市民が感じられる空間。その時の時代に合った質の高い空間になるように都市デザインしてほしいと心底思います。けやき広場がこのような目に合わないように心より願っています。
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