URBAN DESIGN 365 : 2014

2014/09/08

木もれびの中でゆったり過ごせる!東京千代田区丸の内地区仲通りの都市デザイン

 丸の内仲通りは東京丸の内地区の真ん中を南北に結ぶ全長1.3キロ程の街路空間で、東京駅や有楽町駅からも近く、東京メトロの日比谷駅、二重橋前駅や大手町駅からも歩いてすぐの距離にある、木々のこもれびの中をゆったりと歩いたり座ったりして過ごすことができる通りです。

 仲通り沿道には丸ビルや新丸ビルをはじめとしてたくさんのビルが建ち並んでいます、1階にはオープンカフェや店舗も数多く出店していて、どんなお店があるのか見ているだけでもすごくたのしいです。

沿道にはいろいろなオープンカフェやショップが建ち並んでいる、アート作品があっても心地いいのは街路のベースのデザインがシンプルに維持されて整えられているからこそ。ここまで広範囲に都市デザインが維持徹底されているような地区は日本には他にあまり無い。

 現在のように再整備される前は近隣のオフィスで働く人たちが足早に通り過ぎることが多く、休日の人通りも少なかったようですが、今は大きくて多様な植物のもとたくさんの人通りと共にベンチに座って思い思いにとどまったり、買い物や観光で訪れる人も多く、休日にも程よい人たちが訪れてにぎわっています。

 クルマは日比谷から行幸道路への一方通行となっていたり、行幸通りを挟んで通過交通が通り抜けできないようにするなどの交通政策によって仲通りの沿道にあまり用事の無いクルマの通行を少なくするような都市デザインとなっています。また、道幅全体の舗装が石畳になっていて、歩行者空間にクルマが入っていくような都市デザインとなっていてクルマのスピードも控えめ。横断歩道ではよく止まってくれます。さらに、お昼頃はクルマの進入が禁止されるため木々のさえずりのもとでゆったりと過ごすことができます。

 カフェやショップの看板や利用者の自転車がたくさん置いてあるようなことも無いので歩きやすく、こんな街路空間ならちょっと1駅歩いてみようかと思える都市空間になっています。

草木はとってもきれいにメンテナンスされていて、歩道上にも自由に使える背もたれのあるベンチが多数あるので、腰掛けて飲み物片手にゆったりまったり街を眺めて過ごすのもおすすめ。
仲通り丸ビル付近には背もたれ付きのベンチがたくさんの鉢植えの間に置かれた場所があります、ベンチから次のベンチまではたくさんの鉢植えが心地よくつないでくれていてゆったり都市空間を満喫できます。

 丸の内地区や東京駅周辺にはこのような歩きやすい街路が比較的多くあります、仲通りはその中でももっとも過ごしやすい都市空間のひとつとなっています。

2014/07/24

とってもコンパクトな横断歩道!ドイツミュンヘンのブリーナー通りにある横断歩道と信号機の都市デザイン

 ミュンヘン旧市街のマリエン広場から北方面へ、緑あふれるアミラプラッツのカフェや街並みをたのしみながら歩いているとブリーナー通りへとたどり着きます。

 ブリーナー通りは旧市街の北側に沿って通っているクルマも通れる通りで、通過交通が通れない旧市街に沿っているため道幅の割には交通量は少し多めといった感じです。そんなブリーナー通りにある横断歩道空間の都市デザインです。

アミラプラッツからブリーナー通りに出たところにある横断歩道と信号機のある都市空間、とっても少ない部材で構成されていて、都市景観にもばっちり合っています。

 ここの横断歩道と信号機はとってもコンパクトでドイツではよく見かける最小の構成のものが採用されています。

    ポールはとても低く大人が手を伸ばせば信号機に手が届きます、クルマ用の信号機は2台ずつの計4台が各方向設置されていて、そのクルマ用の信号機の間に歩行者用の信号機が1台ずつ計2台が向かい合うように設置されています。

 横断歩道空間用に設置する信号機のセットの中では世界でもっとも最小の部材構成となっています。それに加えてドイツでは横断歩道のペイントもしましまタイプではなく2本の点線のみで横断場所を表示するものが採用されていますので横断歩道のペイントも最小です。

点線のみの横断歩道と低いポールで最小の部材構成、とってもとってもコンパクトです!信号機がとっても低いためメンテナンスの時にも高所作業車などが無くてもハシゴがあれば大丈夫です。

 実際にドイツのような点線のみの横断歩道を渡ってみてもしましまタイプと比べて実用上の支障は特に無いと思われることから、単純に考えるとペイント面積の少ない点線タイプの横断歩道の方が都市の維持コストを少なくできます。

    環境保護の観点からみても少ない部材と施工で設置できますからとても有効じゃない!と感じるドイツの横断歩道と信号機の都市デザインです。


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