URBAN DESIGN 365 : 3月 2013

2013/03/27

オランダの自転車専用レーンは続くよどこまでも!アムステルダム近郊のランツメール地区を快走

良い天気!自転車に乗ってアムステルダム中央駅の北側の発着場からGVBのフェリーで運河を渡って走ること約30分でランツメール地区を南北に通るノールトアインデ通りにさしかかります。

ノールトアインデ通りは歴史的な郊外の街中を走る旧道といった雰囲気で道路に沿って緑豊かな住宅が立ち並んでいます。アムステルダムとプルメルエント方面を結ぶ道路ですが東西に合わせて2本のバイパス的な幹線道路がきちんとあるため広域的な通過交通は少なめです。

通りは対面通行ですが道幅はとても狭くクルマがやっとすれ違える程しかありません。でもそこはやっぱりオランダです!ここにもちゃんと自転車の走行レーンが上下線ともきちんとデザインされています。

歩道は石畳、自転車レーンは赤色の舗装材と白い点線によって明確に確保されています!クルマは対面通行時には自転車レーン側にはみ出して通行します。なので自転車とクルマの通行が双方向で重なった時クルマは自転車の後ろを付いて走行して対向車をやり過ごします。



景観の保全された街並みがどこまでも続いています。どこまで行っても歩道と自転車レーンの空間はきちんと確保されています。クルマはすれ違うときに自転車レーンを使わせてもらうといった感じです。

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こんな道幅の狭いノールトアインデ通りには路線バスも運行されていて大型のバスはすれ違いでなくても結構ぎりぎりです。でも自転車レーンをきちんと走っているとバスやクルマ同士でうまく譲り合ってくれます。また、ノールトアインデ通りに沿ってオランダではおなじみの水路がある場所があります。ここもとってもとっても美しい!素晴らしい景観です。さらに進み段差も無く快走しているとなんだか違和感。そういえば通りに沿って水路はあってもガードレールがありません。こんなオランダの都市デザインがとっても心地良いです。

バスが通るとぎりぎりの道幅をますます実感できます!自転車が居るとバスもクルマもスピードを落としてくれます。左側の水路がとってもきれいでガードレールも無く景観は良好です。
この先に自転車レーンルートのポイントがあるというサイン!決してレトロ調などという安易なデザインを導入せず標準的なものを設置してあるところが良いと思います。

上空に送電線のない広い空!大切にされてきた場所をむやみに道路を拡幅したりして変えたりしない、そして限られた都市空間をシェアするという考え方と実際に成り立っているという素晴らしさ。オランダのこんな都市デザイン政策うらやましい限りです。

オランダの各都市にはこのような自転車専用レーンが広域で整備されています。自転車で移動することがとっても快適です。アムステルダムを訪れた際は自転車に乗ってマップと標識を頼りに郊外にも足を伸ばしてみるのもおすすめです!

2013/03/10

オランダの渡りやすい横断歩道デザイン アムステルダムサルファティ公園東側の横断歩道

オランダの横断歩道は渡りやすい!何でだろう?!オランダに限らず欧州の国々では当たり前といってもいい横断歩道の都市デザインがあったのです。

アムステルダム中心市街地のハイネケンエクスペリエンスから南へ10分も歩くとサルファティ公園に差し掛かります、都心の中でも本当に緑の多いアムステルダムの街路は歩いていてとっても気持ちがいいです。公園の東側、トラムの3、25番線が通るセインテウールバーンを渡る横断歩道を例に見てみます。

お孫さん?の手を引いて道路空間の真ん中にある交通島で東方面のトラムと車道の様子を伺いながら渡るタイミングを見計らっている様子!この時点で西方面の自転車レーン、車道とトラムは渡り終えているのであと半分で道路を横断できる。

一見狭そうに見えるこの道路は歩道のほかに自転車レーン(赤い舗装の部分)、車道とトラムが相互に走っているため結構広い幅員と交通量があります、その道路空間の中でグレーの四角い舗装材が使用されている空間が歩行者のための空間です。最初は道路の真ん中で待つなんて危ないと思ったのですが、実はたくさんのメリットもある道路空間でした。

写真手前の歩道から渡り始めると始めは西方面の自転車レーンを渡ります、そして交通島。次は西方面の車道とトラムを渡ります。そしてこの時点で半分、真ん中の交通島に着きます。あとは東方面のトラム、車道を渡り、そして交通島。最後に東方面の自転車レーンを渡れば横断完了です!このように交通島がいくつもあるのでひとつひとつ確かめながらまるで飛び石のように渡れる横断歩道デザインというわけです。

たくさんの要素のある道路を一度に全ての状況を確かめて渡るのはとっても大変で、横断歩道のペイントのみでは止まってくれる自動車も非常に少なくお互いにタイミングを間違えやすくなりますし、渡るチャンスは全てのタイミングが合った一瞬しかありません。このような交通島のある横断歩道デザインの方が個別に対応できてより早く、安全に横断できる可能性が高くなると思います。

さらに、多くの場合写真のように交通島が複数あることで狭さくの役割を果たしますし、車道にはハンプもあるので歩行者が居るときには自動車はスピードを落としやすいデザインとなっていて必ずしも信号機が必要ではない横断歩道空間を造ることもできます。つまり都市の維持、管理コストや無駄なアイドリングも削減することが可能となります。

そんな交通島と横断歩道の都市デザインの様子をグーグルマップを利用して見てみましょう。ここは都心?!しかし本当に街路樹や公園の緑とカフェがとってもきれいです。


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このような横断歩道のデザインもあってかオランダやドイツでは横断歩道や交通島に歩行者が居るときは結構な確立で止まってくれます。きっとドライバーも交通島に歩行者が居たら渡ってきそうで怖いので止まるか、スピードを落とそうと考え歩行者優先の行動がしやすいのだと思います。歩行者に優しい良い都市デザインですね!是非実際に現地で体感してみてください!

ちなみに日本の市街地で考えてみるとこの幅員があればだいたいの場合片側2車線(4車線)の道路となり、交通島も無いので信号機なしで渡るのはちょっと怖いですね。