URBAN DESIGN 365 : ミュンヘン郊外の景観に溶け込むラウンドアバウトのデザイン

2013/01/04

ミュンヘン郊外の景観に溶け込むラウンドアバウトのデザイン

ドイツミュンヘン郊外、都心から東へクルマで20分程走るとそこにはのどかな田園風景が広がっています、ここはミュンヒナー通りプッツブルンの街近くにあるラウンドアバウトです。

ラウンドアバウトは通常3本以上の道路を円形の道路を介して接続したもので、車両は環状の道路を一方通行で通行して目的の道路に進む交差点です。環状の道路を走る車両が優先でラウンドアバウトに進入する車両が譲れの規制で制御されています。標識は一時停止ではなく三角の譲れの標識が設置されています。

ミュンヒナー通りは、プッツブルンの旧市街を通る旧道と旧市街を迂回するS12079通りがこのラウンドアバウトで分岐しています。ここの交通量は結構多く、とても大きなラウンドアバウトになっています。自然の景観や地形の中に車道、歩道と街灯、標識だけがある感じで、必要最低限な都市デザインを感じられます。
ラウンドアバウト手前にある案内標識もラウンドアバウト仕様になっています。ラウンドアバウトがこの街の都市デザインに標準的に取り入れられていることが感じられる。

ところで、ラウンドアバウトは日本ではほとんど見かけないし、とても危なそうなイメージがあります。しかし、ドイツやオランダに行くと本当にたくさんのラウンドアバウトが整備されています。

車両はラウンドアバウトのルールを守っていればとても安全ですし、多くの場合交通島などは美しく緑化、維持管理されていています。また、交差点に信号機を設置しなくても良いので電力もメンテナンス費用もかかりませんし、何よりどうしてもできてしまう不要な赤信号によるアイドリングも減らすことができます。

交通量の問題もありますが、都心部の結構交通量の多い交差点でもラウンドアバウトになっていたり、ラウンドアバウトの一部に信号機を併設したりするなどの柔軟な運用のラウンドアバウトも見かけることがあります。

日本では郊外でも見かけないラウンドアバウトですが、ようやくその利点を再考する動きも見られます。軽井沢町などの一部の都市では試験的に導入したり飯田市のように本格的な導入に踏み切る都市も出てきました。

ラウンドアバウトは、都市の維持費削減や再配分、そして何より都市環境を良くするためにはとても良い都市デザインのひとつです。


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