URBAN DESIGN 365 : 8月 2013

2013/08/08

水辺のベーカリーカフェbreadworksでゆったり過ごす!東京天王洲運河の都市デザイン

東京の運河沿いの都市空間の中で、とっても居ごこちの良いこの木製デッキ空間へは、りんかい線、東京モノレール線の天王洲アイル駅から歩いて約5分、品川駅からもちょっと遠いですが駅東側の運河沿いをゆっくり歩いて約30分ほどで行くことができます。

天王洲島の北側に接する天王洲運河沿いに到着すると、そこにはとても広い木製の歩行空間が整備されていてとってもゆったりと過ごすことができます。

夏の夕暮れに水辺のデッキを歩いたり、たたずんだりするにはとっても良いデッキです。デッキの木製床が平面のまま運河に伸びていて、柵は細い金属製のバータイプのみ!実にシンプルですが、これがまた奥に見えるトラス橋と共にこの運河沿いの都市景観を引き締めている。屋形船が出航していくシーンがまたたのしい。

何だかここに居ると、ドイツやオランダに居るような感覚が!きっとそれは時代を超えて使われてきたトラス橋、倉庫群が取り壊されることなく再利用されていて、運河沿いの新しい空間も舗装材、落下防止柵などに単一の素材が使われていることがとても大きいと思います。

しかも、この一帯の都市空間が実に最低限の部材のみで構成されているので、都市の維持コスト的にも無駄が少ないと感じられる、日本ではあまり感じることのできないとっても良い都市空間になっています。

やはり税金で維持されるのですから最低限と感じられる都市構成が、自然と市民に良いと感じさせてくれるのだと思います。

でも、日本の惜しいところがひとつ。それは、このような都市デザインが限られた狭い範囲のみで終わってしまっているところ。

東京の運河空間に限ったことではありませんが、日本でももっと民官の境を無くして柔軟に都市空間の魅力を活かしていけば、もっと魅力的な都市にできるのに!と思える場所はたくさんありそうな気がします。

運河沿いの倉庫を再利用した建物にはレストランT.Y.HARBOR、WATERLINE、ベーカリーカフェbreadworksがあります。東京の運河沿いでこれだけの規模で環境が整備されていることは他にあまりありません。民地と公有地の政策が合えば東京にもこのような質の高い都市空間ができるのだと思います。東京の都市としての可能性はまだまだ引き出せば本当にたくさんあると感じずには居られません。
倉庫前の木製デッキ上にはテラス席もあり、水の都東京を体中で感じることができます。他に水に浮かぶ客席や桟橋も整備されていて、多様な東京運河をたのしむことができます。

夏の暑い日、運河を流れる涼しい風で冷たい飲み物なんて最高ですね!でも、最近の暑さではどうなんでしょう...


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2013/08/06

名実共に田園林間都市!ミュンヘンペルラッハのノイビーベルガー通りと自転車レーン

ミュンヘン中央駅からS7番線に乗車、都心の地下区間を出てさらにミュンヘン東駅を出発すると、時折田園地域を挟みながら滑らかに走るSバーン423形車両、車窓を約20分たのしむとあっという間にミュンヘンペルラッハ駅に到着します。

歴史的な駅舎は今も利用されていて、横にバス停、パークアンドライド駐車場、自転車置き場が平面で整備されています、デッキ、横断防止柵や横断歩道さえない駅前空間は、実に最低限の都市デザインのみで構成されています。


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駅北側に接するノイビーベルガー通りは、とっても緑あふれる住宅街の中を南北に通っています。

車道、車停車帯とは別に歩道の車道寄りに自転車の走行レーンがデザインされています、横に接する路地があっても歩道と自転車レーンは段差などなく平坦に整備されていて快適に歩いたり自転車を運転することができます。

路地が接する部分も歩道と自転車道が途切れることはありません。クルマのドライバーも横の路地に入るときは歩道と同じ舗装仕上げになっている空間に入るので、どちらかというと歩道にクルマがお邪魔するという感じになります。ドイツやオランダでは標準都市デザインですが、日本では採用されない都市デザインです。

通過できない住宅街道路をデザインするのに加えて、無料の環状道路や幹線道路が最適に整備されているドイツやオランダの多くの都市では、住宅街の路地は住民以外はほとんど利用しません。そのため多くの都市で静粛で快適な都市環境が保たれています。

一見幅員の広いノイビーベルガー通りも自動車の通過交通はほとんどなく、とても静かな住宅地のこもれびの中をゆったりと歩くことができました。

本当に緑あふれる住宅街、車道や歩道とは別に平坦な自転車の走行レーンがあります。サインや道路標示はあまり無くても街路デザイン次第で市民はこの空間を自然と読み取り利用できるのだと思います。このようにいい意味で簡素、質素で最高の性能を発揮する都市デザインがドイツやオランダにはたくさんあります。

いつもドイツやオランダのちょっと郊外を訪れると、ここは名実共に林間都市だと自然に感じていることに気が付きます。そして、ただただ住んでみたくなります。

訪れると中心市街地から鉄道でたった20分移動しただけでこのような田園、林間都市を感じることができるドイツやオランダの都市デザイン政策の素晴らしさを感じることができます。


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