また、信号機は自動車用と歩行者用だけではなくトラム、バスレーンや自転車レーン専用の信号機もそれぞれ方向別に設置されています。
写真はアムステルダムのフォンデル公園正門前の自転車レーンです、自転車レーンにはスタドハウダースカーデを直進する左側の信号機、ミュージアム広場方面に向かう右側の信号機の2台の自転車用信号機があります。
交差点では自転車レーンも直進と右折の分岐となっていて、バスと同じミュージアム広場方面自転車レーンへの自転車用信号機は青になっています。写真は直進する自転車が左側の赤信号待ちをしているところ。 |
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この交差点は多くのトラム、バスや自家用車が交差するとても交通量の多い交差点で、公園利用者などの歩行者や自転車も多いのですが、それぞれの方向に別々のレーンと信号機があることで比較的スムースな通行が保てれています。
特にオランダでは自転車レーンと歩道の空間も完全に分けられているので、歩道上で自転車が歩行者と交錯することもありません。
また、オランダやドイツでは、多くの信号機に歩行者と自転車用の押しボタンがあり、不必要な青信号はなるべく少なくなるようになっています。そのかわりボタンを押すと比較的すぐ青信号になる場合も多く、特にトラムやバスの信号待ち時間はとても少なくなるようになっています。
押しボタンやセンサーなどによって有機的に信号が変わり、交通状況にあった制御を行っている交差点がとても多く、公共交通や歩行者、自転車が利用しやすい環境が整備されています。
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交通量の多い道路を広げるには建物の建て替えも必要になります。立体交差や実用性に乏しい歩道橋などを作れば都市を維持コストが増大し、歴史的な都市景観にも影響を及ぼしてしまいます。都市の環境や持続可能性の観点からもあまり好ましいとは思えません。
オランダの信号設備や都市空間の使い方は実にコンパクト。限られた都市空間でもデザイン次第で都市はもっと良くなる可能性を秘めていると気づかされます。
日本では多くの都市で新しい道路建設や拡幅事業に関心が偏りがちです。立ち退きや立体交差では整備に時間がかかる上、後世の市民が負担する都市の維持費も増える一方です。
既存の都市空間を部分的に華美にし過ぎるだけではなく、持続的な公共空間とは何か再考してみる必要があると思います。
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