URBAN DESIGN 365 : 歩行者と自転車そしてトラムも自由に走る!アムステルダムトラム10、26番線が交差するリートラント公園の都市デザイン

2013/10/31

歩行者と自転車そしてトラムも自由に走る!アムステルダムトラム10、26番線が交差するリートラント公園の都市デザイン

 アムステルダム中央駅からアイブルク地区へ向かうトラム26号線に揺られて約5分。ビッムハウスを左に見ながら軽快に走るトラム26番線は2つ目の停留所を出発すると程なくトンネルに入ります。1つ目のトンネルを抜けて車窓が明るくなるとリートラント公園内の停留所にすべりこみます。

 26番線はアムステルダム中央駅から東部港湾地区を通りアイブルク地区までを結ぶ比較的新しい路線で、中央駅付近を除いてそのほとんどが専用軌道になっています。26番線以外のトラム路線も十分に早いですが、他の路線と比べるとより高速運転が可能な路線となっています。

 リートラント公園停留所には他に環状路線のトラム10番線が乗り入れていて乗換えが簡単に出来るようにデザインされています。

 26番線のうち東部港湾地区とアイブルク地区の間は水面の下を通る地下トンネルになっています。26番線はリートラント公園を出るとすぐに水面下のトンネルに入るため地下1階、10号線は地上に乗り入れていて立体交差の乗り降り場になっています。


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 地上10番線は普通に公園と平面に行き来が可能で、26番線の乗り場へは階段、エスカレーターとエレベーター、あとは階段と芝生の斜面!によって最短距離で結ばれています。

 階段などの高低差のある部分以外に落下防止柵などの動線を遮るものはほとんど無く、トラム停留所空間も公園の自由な空間がつながった空間が広がっています。そのため2路線各乗り降り場間の移動はゆっくり歩いても1分以内で出来ます。

地下の26番線は専用軌道で高速運転区間のため通常のトラム停留所よりは鉄道のホームのようなデザインになっています。でも、とっても広い芝生の斜面に囲まれた都市空間で窮屈な感じは全く無いです。地上から芝生の斜面をすべってトラムに乗り込むことも出来ます!
26番線のホームは公園とトンネルをくりぬいたようなとってもおもしろい空間になっています。とっても開放的で隣り合う10番線ホーム、リートラント公園などのそれぞれの都市空間が心地良く、無理なくつながり、喚起設備や日中は照明設備が無くても自然の風と光が吹き向けとても気持ちの良い都市空間となっています。
地上10番線の乗り降り場の様子。公園の緑地と一体化した芝生軌道が東部港湾地区方面に続いています。公園内も街中同様にトラムの接近を知らせる信号機のみが設置されています。遮断機や横断防止柵などは無く、歩行者、自転車やトラムが公園内を自由に行き来する姿は、この都市の都市デザインの豊かさをものすごく感じさせてくれます。心地よい!

 10、26番線は全ての車両がドイツシーメンス社製のコンビーノ5車体連接車で運行されているので車内も含めて全て段差無くトラムの利用が可能です。 

 地下のホームから望む芝生とガラス、そして風向きや空の表情によって変わる多様な停留所の佇まい。日常のほんのつかの間にこんな空間があるなんて、こんな素敵な都市空間の利用者になりたい!と思いながらコンビーノに乗ってリートラント公園を出発しました。


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